大学の入試問題の一般化~1999年阪大理系~
こんにちは,最近グラブルのやる気が戻ってきました.たまに真剣にやると面白いゲームですよね.
Apexをやりながらフルオート回しとかが一番いいですね.
さて,本題に入りましょう. 先日,高校生に数学を教えていたときに以下の問題がありました.
これは大阪大学の1999年度理系前期の問題なのですが,この問題を解くためには背理法で簡単に示せます.
これを少し一般化してみましょう.
「nを3以上の自然数とし、n≠4とする. この時,すべての頂点が有理数点である正n角形は存在しない」
ところで,としたのはすぐに反例が見つかります. 例えば,各辺の長さが1の正方形を考えればよいです.
それでは示していきます. 背理法を用います. 平面上の正n角形のすべての頂点が有理数点であると仮定しましょう.
また,このとき正n角形の重心も有理数点であるので,平行移動することにより重心を原点になるようにできます. したがってこの先の議論では元から重心が原点である正n角形として議論しても問題ありません.
また,正多角形の1つの頂点がx軸正の部分にあると仮定しても大丈夫です. イメージとしては以下のようなものです.
さて,をと同一視して考えます. 正n角形ですので,各頂点を倍すると,元の位置に戻ってきます.
ここで,示したいことを言い換えておきましょう. 上の有理数点はと表せます.*1
また,もし全ての頂点が有理数点であれば、 (ただし,) となるはずです.
ここで,体の拡大次数に注目してみましょう.
[ ]は明らかでしょう. また体論の結果より以下がわかります.
を体とし,であるとする. このとき以下が成り立つ.
[ ] [ ][ ]
これを用いて,[ ] [ ] [ ]
ここで,[ ] = n以下の互いに素な自然数の数. であるので,のみとなります.
したがって,四角形以外で,すべての頂点が有理数点な正多角形は存在しません.
*1:={}