ふたごはたいてい区別がつかない

小学2年生の頃、好きな子をふたごの子と間違えた苦い思い出

今までで感銘を受けた定理について

はい,こんにちは.お元気でしょうか.
近頃は梅雨とは思えないほど晴れていて暑い日が続いていますね.以前より僕は塗り物が嫌いだったのですが,日焼けで痛い思いをするのはこりごりなので、 ついに日焼け止めを塗るようになりました.
そんなわけで,今回も語っていきます


誰しも,今の自分を構成するきっかけになった出来事があると思います.今回は自分の周りの方の経験と自分の経験をまとめて紹介したいと思います.
以前,大学で飲み会をやった際に,仲の良い大学の先生から『学部時代に、Weierstrassの多項式近似定理を知って甚く感動した』という話を聞きました.

Weierstrassの多項式近似定理


f[ a,b ]上で定義された実数値連続関数とする.このとき,任意の \epsilon > 0に対して,ある多項式pが存在し, [ a,b ]の任意の点xに対し, | f(x)-p(x) |< \epsilonとなる.

任意に与えた連続関数を任意の誤差で近似することができる多項式があるという定理です.確かに面白いですよね.この話を聞いた当時は,学部一年生でしたので何も考えていなかったのですが,よくよく考えてみると僕にもこんな印象に残っている定理があるように思います.
その定理はある2つの命題から導かれる結果なのですが,まずは2つの命題を紹介しましょう.

コンパクトリーマン面の射影埋め込み定理

DX上の因子とする.このとき次が成り立つ.
(1)degD \geq 2g  (deg K_{X} + 2) ならば | D | は自由である.
(2)degD \geq 2g +1  (deg K_{X} +3) ならば因子Dに付随する写像\phi_{|D|} :X \rightarrow \mathbb{P}^{N}は埋め込み写像である.
以上のことから特に,PXの点とするとき因子(2g+1)Pに付随する写像\phi_{|(2g+1)P|}Xの射影空間への埋め込みを与える.

この定理により,任意のコンパクトリーマン面は射影空間の閉部分多様体になるわけです.

チャウの定理

射影空間\mathbb{P}^{N}の閉部分多様体Yは有限個の同次多項式の共通零点集合 F_{i} (X_{0} , X_{1} , ... , X_{N} ) = 0 (i=1,2, ... , m)の形に表される.

これは射影空間の閉部分多様体は射影代数多様体であるということを述べています.この二つの定理から以下の定理が導かれる.
任意のコンパクトリーマン面は射影代数多様体である

この定理の何が面白いかというと,コンパクトリーマン面はもともと1次元複素多様体として定義されている対象なのですが,それは実は純代数的な対象としてみることができるわけです.面白いですね.

以上の定理は小木曽啓示先生の「代数曲線論」という本の最後に得られる結論です.もともとこの本自体が,複素多様体としてのコンパクトリーマン面が射影代数多様体になる(みなせる)までを述べた本なのです.とても面白い勉強になる本なので,興味のある方は読んでみてください.