ふたごはたいてい区別がつかない

小学2年生の頃、好きな子をふたごの子と間違えた苦い思い出

「友情」と「渋谷やミナミのハロウィン」

皆さんこんにちは。昨日はハロウィンでしたね。去年はコロナの影響もあり静かだった渋谷やミナミも、今年は仮装などで騒がしかったようですね。あまりああいうのは得意ではないので、自宅に引きこもっていました。

「渋谷でコスプレしに出掛ける人間は別の人種だと思っている。」とツイートしていたフォロワーもいたように、世界観の違いを大きく感じるイベントですよね。

 

武者小路実篤の「友情」という小説があります。これはまさしく、別の人種だと痛感させられるような物語だと思います。

ざっくりとしたあらすじを述べます。

登場人物は、新人脚本家である野島、そして友人である作家の大宮。互いに尊敬しあい切磋琢磨する中でした。ある日、野島は友人の妹である杉子に恋をします。杉子に恋をした相談を大宮にし、親身に相談も乗ってくれるのですが、最終的に大宮が抜け駆けし、杉子と結ばれるのです。野島は一度に友人と思い人、両方を失うという物語です。

 

この物語の中で卓球をするシーンがあります。

スポーツは得意ではない野島は、杉子に手加減されつつ試合をします。これに対し野島は「気遣いのできるいい女だ」と思うのです。

一方、大宮は杉子相手に容赦なくスマッシュを打ち込むのです。大宮と杉子は白熱した試合をします。

 

そのほかにも、野島はこちらが恥ずかしくなるほどカンチガイをしていきます。杉子の何気ない行動もプラスにとらえ、「俺に惚れている」と思うのです。大宮はあまりプラスに考えすぎるなよと忠告もするのです。この物語を読むと、多くの人は共感性羞恥心を感じるのではないでしょうか。

 

この物語において、野島君はいうなれば「陰キャ童貞勘違いオタク」といったところです。一方で大宮君は「女に容赦はしないパリピ陽キャ」です。

 

ところでこの物語は、ある程度実話だと言われています。野島君のモデルは作者本人。大宮君のモデルは志賀直哉だと言われています。

志賀直哉の本を読めばわかるのですが、志賀直哉はかなりモテたのでしょう。女の子を無下にしつつも扱いがうまいです。現代だと間違いなく渋谷にいますよ。

 

物語において、作者の女性に対しての思いがよく表れます。武者小路実篤志賀直哉は以上で述べたように描き、川端康成は母性を求め、漱石の女性は強いです。*1

みなさんが物語を書くとしたら、どんな女性を描きますか?

*1:僕は漱石の「明暗」のお延がとても好きです